Mr,エンペラのライヴレポート


中西俊博 with 宮川泰スーパー・カルテット
The Swing City 2003年3月24日(月)
Pf.宮川泰 Bass.青島信幸 Drs.市原康 Gt.萩谷清 Violin.中西俊博

よかった〜!
宮川泰スーパー・カルテット with 中西俊博
(やっぱりこの順番の表記の方がふさわしいですよね・・)
はやはり期待通りよかったですよ!

今回のポイントは、まず第一にジャズバイオリンというめったに聴くことのできない楽器と
管理人さんのギターがどう絡んでいくのか?
ステファン・グラッペリの例を出すまでもなく、ジャズバイオリンにはかならず渋いギタリストが
セットでついてくるのがもともとの定番。スーパー・カルテットとの相性の良さは
充分に想像できます。

そして次に、ドラムスにH.I.K.の市原康さんが入っているということ。
いや〜、市原さんのドラムはやっぱりいいな〜。
かなりメリハリの利いたドラムなんだけど、どんなにハードに叩く瞬間でも
音がうるさく感じることがなく、スパッ、スパッと気持ちいい。
しなやかで、せせこましい感じがまったくないんですね。

中西さんのバイオリンもよかった。
ジャズバイオリンというのは、実際に生で聴くと想像以上にダイレクトに感情表現を
伝えきる楽器でした。
中西さんはもともとクラシックのバイオリンからスタートして、プロとしてはポップスを主体に
作曲、アレンジ、プレーヤーとして活躍している人ですが、
学生時代はジャズピアノでそうとうならした方らしい・・。


■第1セット
1. バードランドの子守唄
   一曲目は宮川組でもお馴染みのナンバーから。
   私はこの曲の、シンコペーションかけまくりの調子のいい宮川アレンジが
   大好きです。宮川さんのピアノソロも思わず口ずさみたくなるようなメロ
   ディックなもので、さすが名作曲家が選ぶメロディラインだと感心させられます。
2. ウナセラディ東京
   初っ端からの宮川さんの「ギター!」というコールで、我らが管理人さん
   が大活躍する曲です。いいな〜、ぜひコピーしてみたいと思わせるボサノ
   バ・アレンジです。市原さんのドラムスもバスドラがびしばしきいていて快感!
3. 朝日の如くさわやかに
   ややお気楽ぎみに羽目を外した宮川さんのピアノに、管理人さんがお得意
   のブルージーなギターソロでピリリと演奏を引き締めます。宮川さんはそ
   れに対抗するように「黄金虫は金持ちだ」、「荒城の月」などのメロディ
   を織り交ぜたソロを展開。それをまたベースの青島さんのドスをきかせた
   ソロが引き戻します。
4. ス・ワンダフル
   ここから後半がバイオリンの中西さんを迎えてのクインテットによる演奏となります。
   私はバイオリンのライブを生で聴くのはほぼ初体験。家にはステファン・
   グラッペリやジャン・リュック・ポンティのレコードもあり、けっこう嫌
   いじゃないんですが、そんなにバイオリン中心では聴いていなかったもん
   な〜。ジャズ・バイオリンのレコードというのは、バイオリンそのものの
   ソロを楽しむというより、他の楽器とのアンサンブルや対比の妙を聴くも
   のだという気がしています。さて、スーパー・カルテットとのジョイント
   はどうなるのか? しかも曲はいきなり急速調の〈ス・ワンダフル〉!
   しっかし、バイオリンの音というのは雰囲気ありますね。ひとこすり(な
   んという表現!)始まるだけで、いきなり芳醇な曲の世界が場を支配しま
   す。そして間違いなく米音楽であるはずのジャズに、欧風の異文化の薫り
   をプラスしていきます。
   (この曲は『巴里のアメリカ人』からの曲ですが、作曲はガーシュインですからね・・・)
   それにしても、ポップス畑で著名な中西さんの、ジャズバイオリンのテク
   ニックの確かなこと! テーマからアドリブまで、ぐいぐい演奏を引っ張
   っていく。 つられてかバンドもどんどんヒートアップしてゆき、宮川さ
   んもかなりマジなピアノソロをとります。つづく管理人さんのギターソロ
   もかなりリキがはいり、宮川コンボでやっているとは思えない(失礼!)
   全開モード! スピード感といい、フレージングといい、聴き応え充分で
   申し分のないものです。
5. 黒いオルフェ
   この曲もバイオリンに合う・・合いすぎるくらいにはまる曲でした。
   芳醇を通り越して、ずぶずぶ、ねっとりウェットに感情にせまってくる。
   アドリブでも完璧に歌いきります。これは次にソロをとる人がきついな〜
   と思っていたら、宮川さんは「わしゃ、かなわんからお前行け」とばかり
   に管理人さんにソロをふります。「えっ、そうなの?」となんとなくソロ
   が始まったので、この曲じゃ管理人さん、不利かなと一瞬危惧してしまい
   ました。中西さんがバイオリン(ピックアップがついて、一応エレクトリ
   ック)にエフェクターをかませてリバーブ感たっぷりなのにくらべて、管
   理人さんのギターはかぎりなくドライに近かったし・・・。ところがどっ
   こい、弾き始めこそそんなこと考えちゃったけど、ソロ2小節目でそんな
   心配はすぐ吹っ飛んでしまいました!「So Cool!」またたくまに、この
   曲はこうじゃなくっちゃというハギヤワールドに塗り替えられてしまった
   のです。う〜ん、達人の演奏というのはこういうことをいうんだね!
   中西さんも凄かったけど、管理人さんも最高。よってこの勝負引き分け、
   って何勝手に戦わせてるんだろう?
6. 酒とバラの日々
7. スターダスト
   まことに勝手ながら上記2曲は管理人さんの圧勝とさせていただきます。
   バイオリンはあまりメロディアスな曲、ムーディな曲が続くと若干、胃
   もたれしてくるところがありますから・・・。
   そして、いつもはDbでやっている〈スターダスト〉を中西さんに合わせて
   なにげない顔でCキーでこなしたバンドにも拍手!
8. ?
   この曲は最後までタイトルが判りませんでした。曲調がジャズというより
   シャンソンのように感じるのはバイオリンのせい? 

■第2セット
1. パーディド
2. イパネマの娘
3. 宇宙戦艦ヤマト
4. 逢いたくて逢いたくて
5. アンディサイディッド
   第2セットのここまでをスーパー・カルテットの演奏で。定番の曲のオン
   パレードですが、『パーディド』だけはこのユニットでは初聴きでした。
6. スウィングしなけりゃ意味がない
   急速テンポのこの曲から再び中西さんのバイオリンが参加。
   市原さん大活躍の4バース、8バースを交えながら完璧なバンド演奏が繰り
   広げられます。 
   終わったあと、宮川さんが思わず、「あんたら、ほんとに巧いね〜」と
   感心していると、客席から「ピアノもいいよ!巧いよ〜!」という声が。
   でも、宮川さんは「ほんとは私、そんなにピアノ巧くないの。
   めちゃめちゃ下手くそなの・・・」といじけて笑わせてくれます。
7. アズ・タイム・ゴーズ・バイ
   まず出だしは中西さんの独奏から、この曲もバイオリンに合わないはず
   がありません。
8. キュート
   カウント・ベイシーでお馴染みのこの曲は、ベイシー・バージョンより
   ぐっと高速テンポで演奏されます。
   リフのブレイクのところで中西さんはバイオリンを指で弾くピチカート
   奏法を見せてくれます。そういえばバッキングのときはギターのように
   指でコードカッティングもしていたな。
9. バーモントの月
   ジョニー・スミスのギターで有名なこの曲では、なぜか管理人さんのソ
   ロはなし。ここでは宮川さんのピアノがまるで〈ブルー・ムーン〉のよ
   うなバッキングをつけ、青島さん、市原さんに大ウケでした。
10. ビリーズ・バウンス
   「さあ、最後だよ。ブルースだよ。もう何をやったって大丈夫だから
    みんなガンガンやってね!」と宮川さんの号令のもと、大セッション
   大会でステージの幕を閉じます。