Mr,エンペラのライヴレポート

萩谷 清 Trio Live at The Strange Fruit
大磯すとれんじふるうつ / 2003年 6月 7日(土)
Gt:萩谷 清 Bass:森 憲一 Drs:黒崎 隆

早いもので前回の大磯から、もう半年近くたちました。
1月のすとれんじふるうつは、ベースの池田聡さんとのデュオでしたが
今回はお馴染みのトリオスタイルで。
大磯でのトリオというと、私はやはりどうしても昨年3月のライブを思い出しますね!
ナマの管理人さんの演奏にはその前の2月、横浜ファーストで初遭遇してはいました。
しかし、横浜は人に連れられて(ダンディさん・青江さんですね)行ったので、
萩谷清というギタリストのライブに、自分の意志で、一人っきり出かけていくというのは
大磯が初めてだったのです。
お店のシステムもわからないし、食事を頼まなくちゃいけないのか? いくら要るのだ?
3万円もあれば足りるのか?(実際はその1/10だった・・)等々、不安がいっぱい!
しかもそこには大日本清柳会というコワイ人たちも大勢くるという・・。
(C.アンさん、RYOさん、KAZさん、修三さん、MOさんらとも初めてお会いしました)
でも実際会ってみると、みんな優しいいい人たちばかり。
とくに管理人さん、曲のリクエストには何でも応えてくれるし、
気さくにギターの手ほどきもしてもらえるしで、一発でノックアウトされました。
・・・という想い出深いライブハウス、大磯すとれんじふるうつ。
そして今回も思わぬ出会いがたくさんあったのです・・・。

そうそう、今回のベースを担当された森憲一さんは、昨年の大磯トリオでもメンバーだった
方ですが、この日はその森さんやドラムの黒崎さんの、ふだん一緒に音楽活動をされている
お仲間がお客でたくさん見えていたんです。
その中にはなんと最近、銀座Vでピアノとバイオリンを弾いている島崎さんまで来ていました。
そうかそうか、そういえばダンディさんがベースの森さんとは一緒に演奏したことが
あるといっていたけど、みんなそちらの繋がりなんですね?
(大磯すとれんじふるうつ<-->辻堂アド・シンジケート?)
島崎さんのお連れの女性、奈良崎さんもダンディさんと同じバンド(Tom's Bossa)で
ピアノを弾かれているということだし。
(News:6月25日にそのTom's Bossaのライブが大磯であります!行ってみましょうか?)
*この奈良崎さんには、後半のセッションに参加してもらいました。

ということで、異例(?)にお客の多かったすとれんじふるうつのライブのはじまり始まり・・。
■第1セット
 1. ビューティフル・ラブ
   「萩谷はライブをやる前はいつも新しい何かを自分に求めます。自分に課します。」
   BBSでもそう言っていた管理人さんですが、お馴染みのこの曲も今回もちょっと変わっ
   て聴こえます。イントロの出だしは「オールド・フォークス」のよう。すぐにあの特徴的
   な切ないメロディに変わりますが、コードの装飾や、時折り挟み込む鋭角的なスケール
   ランがゴージャスな緊張感をプラスします。
   インテンポの合奏部分になる直前に、管理人さんは少しボサのようなキザミを入れます。
   「おっ、今回の『ビューティフル・ラブ』はボサノバでやるのか?」と耳をそばだてたの
   ですが、ドラムの黒崎さんはちょっと躊躇したように見えたものの、やはりフォー・ビート
   で叩き始めました。しかし、黒崎さんのドラムはかなり暴れ太鼓!エルビン・ジョーンズの
   ような手数、音量でシェリー・マンのようなドラム(打音でメロディを全部鳴らしきる)を
   叩きます。黒崎さんが埋めすぎるからか、ややベースの森さんが引っ込み気味に感じるので
   管理人さんのギターとドラムのデュオのような気配さえ漂ってくる。
   しかし、この日の森さんはけして調子が悪いわけではなく、それどころかベースソロを聴け
   ばわかるように、一年前の大磯トリオのときより格段に快調でした(ドラムとの相性?)。
   テーマ、アドリブと続ける管理人さんのギターは黒崎さんとのバランスもあるからか、
   徐々にヒートアップしたハードな演奏になってきます。ややこの「ビューティフル・ラブ」
   らしからぬ展開ではありますが、ギターの聴きどころは勿論ふんだんにあります。
 2. オール・ザ・シングス・ユー・アー
   前曲のエンディングから間髪を入れず、ギターのソロで始まったこの曲もしばらく聴き
   進むまで何の曲かわからない導入部になっています。お馴染みのメロディが聴こえ、
   「ああ、この曲か!」と思った瞬間、ドラムとベースが重なって入ってくる展開はなかなか
   かっこいい。この曲でも盛り上がるギターを聴いて、「管理人さんの最近のテーマは
   “熱い演奏”なのかな?」と想像した次第です。
 3. ラウンド・ミッドナイト
   今度は極めつけにクールなこの曲。ギタリストのみんながみんな演っているわけではないの
   ですが、「やっぱりこの曲はギターだ」と思ってしまいます。でも、それだけに畏れ多くて
   まだ私は弾いた(練習した)ことがないな。 ソロギターでやれたらかっこいいですよね?
   今度管理人さんに教えてもらおうかしら?でもエンディングの「とったっとったっとったー」
   というオクターブ弾きが難しそう。
 4. ウォーターメロン・マン
   これは私の念願のリクエスト。水戸で西瓜が名産なのにちなんで演奏したというこの曲、
   とてもいい出来だったと聞いていて、ぜひ再演してもらいたいと思ったんです。
   「基本はブルースだから、エンペラさん一緒にやる?」と言われていたんですが、騙される
   もんか!この手の曲は危ないんです・・・と思っていたら、やっぱり凄い!
   管理人さん、超絶技巧で弾きまくり! これを隣でやられたら、私は何をすればいいの?
   ああ、やめておいてよかった。「サニー」の二の舞になるところだった。
   でも、カッコいいから今度、管理人さんのいないところで私の持ちネタにしよ〜っと♪
5. アイ・リメンバー・ユー
   例の「ミーファドレッミー、ミーファドレッbミーファbシドッレー」という曲名のわから
   なかったナンバーです。でも、私、チェット・ベイカーとフォー・フレッシュメンと
   ジョージ・シアリングのと3枚もこの曲の入っているCDを持っていました。
   だめだな〜、私こんなふうに聴いているはずなのに知らない曲って多いんですよ。
   新しいのばっかし欲しがらないで、持ってるアルバムもよく賞味しなくっちゃね。
 6. ノー・ブルース
   これは、この日大磯すとれんじふるうつに一番乗りで来ていた、この店のご意見番みたいな
   雰囲気の常連さんから出たリクエスト。ちょっとウルさそうな、コワもてのオジサンだった。
   でも、本当はこのリクエストって無茶なんですよ。
   この曲はウィントン・ケリー(p)とウェス・モンゴメリー共演のライブ盤「Smokin' at the
   Half Note」の一曲目に収められているナンバーですが、ケリーのピアノのイントロがやや
   特徴的なのと、途中のキメのシンコペーションを除けば、変哲のないただのブルース。
   楽器編成も違うので、やっぱりただの「Fブルース」になってしまいました。
   でも、ここでの管理人さんの演奏は凄いのひとこと!火がついたようなアドリブとはこういう
   ことを言うのでしょう。ワン・コーラス連続の超高速3連シーケンスフレーズのあいだ、聴いて
   いるこちらも息ができなかった。後半はオクターブ、コードソロで管理人さんがさらに盛り上
   げるんですが、さすがに演奏がおわったあと、右腕をぶるんぶるんさせて「つりそう・・」
   というジェスチュアをしていました。
 7. マイ・ファニー・バレンタイン
   これも私のリクエストに応えてもらって。私のジャズ・ギターへの興味はジム・ホールの
   ビル・エバンスとのデュオでのこの曲が始まりでした。というわけで特別思い入れのある
   曲なんですが、タイトルのせいで2月にしかリクエストしづらい曲でもあるんです。
   前回、1月のベースとのデュオのとき、念願かなって管理人さんに演奏してもらったのですが
   なんとその時はMDのテープ切れ、じゃなくディスク切れで録音ができなかったんです。
   今回は・・・ちゃんと録音OKでした。
■第2セット
 1. SOLAR / ソーラー
   この曲もチェット・ベイカーで持っていましたが、知らんかった!
 2. 星影のステラ
   いつもこの曲では管理人さんのアグレッシブなフレーズが頻出するんですが、この日も例の
   ノンアベイラブルノートを果敢に繰り出してスリリングな演奏になっていました。
 3. 哀愁のヨーロッパ
   この曲は件の島崎さんからのリクエスト。3月のスウィングシティ中西俊博(voilin) with
   宮川カルテットの帰りにVに寄った管理人さんが、エンペラに特訓していた曲で、島崎さんは
   その様子をVにいて目撃していたのです。また、管理人さんがこの曲の弾き下ろしをしたのが
   昨年のすとれんじふるうつでのトリオでだったのです。ベースの森さんもそのことをよく
   覚えていました。 森さんにとっても昨年の共演は印象的なことだったんですね?
   そんないろいろな人の思いを感じとってか、管理人さんのギターもこの曲ではとくに優しく、
   しっとりとハートフルに響きます。
 4. ハートストリングス
   この曲も弾き下ろしはこの大磯すとれんじふるうつ。今年の1月でした。リクエストはもちろん
   その場に居合わせたC.アンさんから。管理人さんのギターはあれから、また進化しています。
   ドラムとベースにとっては初見となるはずのこの曲ですが、問題のないコンビネーション。
   やっぱりプロは凄いな。
 5. セント・トーマス
   中締め(?)の曲は管理人さんお得意のナンバー。めくるめく職人わざのショーケースとなって
   います。ここで、MOさんの「もう少しベースが機能的に絡んでくれればいいのにな・・」という
   やや辛口のコメントが。MOさんは耳がいい人だ、コワいね・・。
 6. イズント・シー・ラブリー
   「エンペラさんギターを持って来なさい。終わりの方に、1、2曲一緒にやりましょう」
   当日のBBSで管理人さんのこのカキコミを見たときにはひっくり返りそうになってしまいました。
   ヤバイ!とは思ったのですが、こんな機会はアマチュアギタリストにとってそうそうある話では
   ありません。「湘南の外れ、大磯だからいいかあ?」などという不届きな言い訳を自分に言い
   聞かせ、持ってきましたですよ、ギターを。そしたら、大磯は満員ではないですか!
   急遽テキを味方につけるべく、奈良崎さんを巻き込み、ピアノを弾いていただきました。
   しかし、「イズント・シー・ラブリーやろうか?」にはまいったな。よく知らない曲だし、
   3連のちょっち難しい曲ではないですか? まあ、転調がないぶん安心ですが・・。
   出来はすみません、最低でした。特訓のように3コーラスもソロスペースをいただいて、後半の
   ワン・コーラスだけが40点くらいの出来だったでしょうか?
 7. 黒いオルフェ
   この曲はね、いつもは得意なんですよ。マイナー弾きだし、曲調的にも起承転結が作りやすい。
   でも、プロの方たちにまざっていると思うと、急に自分のバッキングがいい加減に思えてきて
   ソロの前から萎縮してしまって・・・。なるべく目立たないようにボリュームを絞ってバッキング
   していたら、管理人さんにアンプのボリュームを上げられてしまった。
   お世話かけました。この曲の私は20点。
 8. カミン・ホーム・ベイビー
   「あと一曲くらいやりたいだろ?」と言われて、「はい、じつは・・」という自分がすごい。
   この曲はロック上がりの私には向いている曲なので、管理人さんさえいなければ自信があります。
   先にソロをいただいたので多少気が楽でした。まあ、私は自分に辛いので、出来は60点にしておき
   ましょう。
   ・・・・そしたら、あとから管理人さんが1万点くらいのアドリブをやってました!
   これを先に聴いたら、私はフリーズして手も足も出なかったでしょう。
   とまあ、またまた冷や汗をかいた経験だったのですが、終わったあとベースの森さんも握手して
   くれたし、黒崎さんも怒ってなかったみたいだし、やっぱり楽しかったな!

   (終)